アポロ11号40年後にネット生中継!?

プローブ

2009年07月17日 12:53

40年前の1969年の7月に、アポロ11号が打ち上げられました。ジョン・F・ケネディー図書館&博物館が主催のイベントで、NASAの保管する記録映像や写真と、当時の通信録音を利用して、Web上で40年間の時差でリアルタイム配信をしています。

実際に40年たって反射してきた電波を多数の電波望遠鏡で受信しているわけではなく、打ち上げから、月面着陸までの無線交信を交え、当時の分単位のタイミングで再現しています。発射など過ぎたことを確認することは出来ませんが、記録によると7月21日午前11時56分(日本時間)に月面に一歩を踏み出します。

昼休み前ですが、アームストロング船長のあの有名な言葉「That's one small step for a man, one giant leap for mankind.」は、何があっても生(?)で絶対に聞く。

当時の報道機関だってここまで集中的に報道していないはずなので、凄いことだと思う。

と思ったら、親に聞いところ日本初のアメリカからの衛星中継により、5日間ずっとNHK-TVで生中継をしていたそうです。ビックリです。同時通訳が行われるけど、アナウンスは「初めての一歩です」と言ったぐらい。ザーザーと言ってるだけ、いつ着くかも分からずまだかまだかとその瞬間を逃さないようTVにかじりつき、みんな目を真っ赤にしながら会社に行っていたそうです。

WebサイトはWe Choose The Moonです。最新のFlash10を使用してカッコイイ!!

なつかし?の、アナログ無線のノイズが聞こえています、しばらく待っていると乗組員が就寝中で無い限りヒューストンとの交信が聞えてきます。40年前のこの瞬間に発信された音声と考えるとちょっと感激します。

日本とフロリダの時差は-13時間。管制室と「two point eight」など計器の確認が多いですが、「Great」や「Bravo」などポジティブかつリラックスできる抑揚の会話が聞けてすばらしいネットラジオ。元気が出ます。

日本で発売されたどのアポロ本より詳しい図や写真などを沢山見ることが出来ます。比較的簡単な英語なので中学生と辞書片手に読むのもおもしろそうです。

追記

アポロ計画を実施したNASAが帰還カプセルが着水した7月25日午前1時51分までの、音声交信録音を当時と同じタイミングで中継中♪。着陸後から最後までつきあうならこちらです。

NASAのネット中継はこちら、Listen to the Apollo 11 Radiocastです。

NASAの方がホワイトノイズ(ザーザー音)が少なく、より聞き取りやすいです。でも「We Choose The Moon」の方が、エフェクトが効いているため、カッコいいです。同時に鳴らしても音はずれていません。電話のベルの音も聞こえるので当時Houstonのスピーカーから出ていた録音だと思う。

噴射とアポロ誘導コンピュータのブザー

もしかして、たまに聞こえる噴射音も数秒差のリアルタイムかな。と思ったら、ヒューストンから噴射の指示でアポロ11から○○秒と復唱した後に、噴射音が。。。そして、姿勢の角度等の報告がアポロからヒューストンへ。めちゃくちゃ興奮する。さらに、「指定のポイントまで△△秒間噴射するとヒューストンからアポロ11へ」泣けてきた。突然始まった、大イベント。凄い交信密度。夜中の3時10分ごろ。。イケイケのBGMまで流れ始めた!!さらに噴射しまくり。機械のブザーが噴射音に混じって聞こえてくる。

ブザーの正体は、2.048MHzという超スロークロックで動くマイコン、アポロ誘導コンピューターの動作音。ノイズと噴射音の区別が分からなくなってくる。

なんとワイヤラッピングでつながっているそうです。今はプリント基板が主流ですが、特殊需要では未だに健在、見た目のすごさは、ワイヤラッピングが圧倒的。ある工場に置いてあった古いワイヤーラッピングで作られた機械を思い出しました。

ワイヤーラッピング

IC(昔からあるDIPタイプ)の足の間隔は100mil(ミル)2.54mmです。1インチが1000milで、ICなどの電子部品の足の間隔は100milが基本です。歴史の古い74シリーズでは、足が14本のムカデ状で、お腹に2本のパターンが走るよう足と足の間隔が300mil(7.62mm)あります。

巻き付けるワイヤーの太さは通常単線のAWG26(直径0.41mm)です。絶縁にビニール皮膜があり青や赤や黄色など様々な色があるのですが、使われているのが単色。一般的に青色だったら青色のワイヤーしか使いません。一本間違えたら泣くこと必死

ICの足にワイヤーを巻き付けるので、2.54mm間隔でワイヤーが伸びてきています。メモリーICやマイコンICなどは足が幅が600mil(14.52mm)で40本近くあるICもあります。

アポロ誘導コンピュータには4100個のICが使われているそうで、3入力のNOR回路が一つのパッケージと言えば、ICの足の数は3+1(出力)+2(電源+GND)で6本、全部で足が24,600本凄いことになっています。

Block IIバージョンアポロ誘導コンピュータのゲート数が5,600ゲートとあったので、3入力NOR回路が2つ入ったICが2,800個。足が28,000本。もちろん、足に一本ずつより2本の足をつなぐブリッジが多かったりワイヤーの数は予測不能それでも最低14,000本はあるはず。

ふたを開けると素麺の箱状態にぎっしり詰まってるとおもう。ワイヤーラッピングを使う場合、ワイヤーがまとめられ直径数cm近い束が、何本も走っています。

ワイヤーラッピングは、修正に強く、半田付けより圧倒的に振動に強く信頼性が高いため、古かったりガシャガシャ動く工場の設備でたまに見かけることがあります。飛行機でも使われています。


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